SEIJI FUJIWARAのブログ

30代、貿易課で働く双子の父です。

企業家と職人

「職人」になぜ惹かれ「企業家」にそうではないのだろう。
昨夜はぼんやりそのことを考えた。


簡単にいうと、僕の育った環境にある。
親父が小さなリフォーム会社を経営している関係で、会社を運営するということへの厳しさ、辛さを小さい時から感じていることが大きいと思う。

リフォーム屋は、社会企業家ではない。
父親は大学卒業後にサラリーマンからの一念発起で、職人になりその後独立した。
20代はひたすら職人として働き、30、40代は会社を起動に乗せるため職人兼営業マンをしていた。阪神大震災以後の大不況を乗り切り、60才目前までやってきた。


30年続けてきた父親を見ると、社会企業家がたくさん成功すると信じられない。
「軽さ」をどうしても感じてしまう。


それと職人への憧れについて。
父親の会社は零細企業だから、よく「手伝ってくれ」と言われ、高校、大学時代に仕事現場で手伝いをしている。現場にはたくさんの職人がいる。壁紙職人、カーペット職人、左官職人、
水まわりの職人(水道屋とよく言われる)・・・。
職人には明確な技術、腕があり、狭い分野であっても完璧な仕事を毎日こなしていく。
僕は手が器用でもないし、ケアレスミスが多い。
だから自分に不足する能力としてかっこよさを感じる。


そんな職人さんも最近は少ない。
職人の日当も下落し、どんな仕事でもこなさないといけないようになった。
人件費を下げ、材料費を下げることがコストカットの王道だ。
市場の原理を尊重しすぎると、腕のある職人は育たない。
職人を軽視する思想は、今の企業家側にあるんじゃないかと感じる。
職人を軽視する思想は日本の技術力を破滅に追い込む。
リフォーム屋であっても、NGOでもそれは同じだ。