インド人は手でご飯を食べる。
今でこそ、外食でナイフとフォークを使うことが増えているけど、家庭では手で食べる人が今でもほとんだとか。本当のローカル食堂とはどこ?と聞かれるなら「スプーンすらおいていない店」といえる。
右手でコネコネしながら、カレーを食べることも多いです。
南インド特有のバナナの葉の上で、上手に混ぜながら。
昔、うちのスタッフ全員で近くのホテルでご飯を食べた時がありました。うちの会社のいいところは、高級レストランであっても運転手さんも一緒にご飯を食べたり、飲んだりすること。
年配の運転手さんが、とてもフォークの使い方を困っている様子。日常生活でほとんどナイフなど使いませんから。
それを眺めながら社長はナイフとフォークを持っていいます。
「この道具はインド人にとっては、斧と鍬です。土を耕したり木を切ったりするもの。つまり根本的には野蛮な道具で、こんなもので食事を取るより手で食べたるほうがよっぽど文化的な行為です」
インド人にとってナイフとフォークは頭の中のどこかに、野蛮な、自分たちの本来でないもの、という意識があるそうです。それを聞いていたインド人は深く、うなづいていました。
インド人はナイフやフォークやお箸を知らなかったから、手を使って現在まで食事をしているわけではないということ。彼らは自分の意志で(変な言い方だけど)手を使って食べる行為を選んで、現在に至っていること。
そして僕は今日も鍬や斧でカレーを食べるわけです。