SEIJI FUJIWARAのブログ

30代、貿易課で働く双子の父です。

『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の旅』(村上春樹・文芸春秋)

 『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の旅』(村上春樹文芸春秋)を読了。 

 村上春樹は大好きというわけではないけれど、一旦読み始めるとどんどんページをめくってしまう。かといって読了後に何が残ったかと言うと別になにもない。『海辺のカフカ』『1Q84』『ノルウェイの森』などまさに当てはまる。

 でも今回の新作は、良かった。好感をもてたというか。ハードカバーで購入して全く後悔しない内容。今の若者の抱える心のひだに向き合っているし、物語に飛躍がないのが読みやすい。何より読み終わった後、私自身の心につっかえていたものがなんだか、一つぬけていった気がする。今の私の感性とちょうどマッチする本だった。

色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年

色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年

 気になったのは文体が英語に翻訳することを先読みして書かれている点。
今年、ノーベル文学賞を受賞するかもしれない。

個人的には過去10作品近く読んだ中で一番評価したい作品。