帰国してから結構本を読んだ。
その中で良かったものを3冊ご紹介。
一番心に残ったのは、三浦しをんの「舟を編む」(光文社)です。
ハードカバーで買っても全く損なし。
今年読んだ本の中で一番よかった。2012年の本屋大賞1位の作品。言葉で紡いだ「舟」を編む物語。辞書を10数年かけて編纂する男と、彼の周りの心やさしい人たち。恋文のシーンとか特に良い。大切な相手に対して心の通った言葉を人生でどれだけ持てるだろうか。師弟関係も良い。最後らへんは涙も出てしまった。
日本語って難しいけど、細かい違いに大事な意味がそこにあって、大切な人への思いを伝える表現となる。日本語を大事にしよう。
- 作者: 三浦しをん
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2011/09/17
- メディア: 単行本
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2位 村上春樹「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」(文芸春秋)★★★★
前回のブログでも書いた。今まで読んだ村上作品で一番共感できるかも。ストーリーも摩訶不思議じゃないし、現代の若者の心の葛藤にも当てはまる。村上作品はどこか暗さが漂うけど、今回は主人公が自分の力で前に進み10代の自分を取り戻す旅に出る。村上春樹の題材は、カリブ海とか、ギリシャとかヨーロッパが多い。
混沌としたインドとかアジアを設定してほしいな思いつつ。村上春樹は友達にはなりたくないタイプだけど、心の底のほうに溜まっている躊躇とか失敗に目を向ける部分というか方向性は好きだ。
- 作者: 村上春樹
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2013/04/12
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石油卸売メーカー、出光の創業者国岡鋳造の戦前、戦後を石油とともに駆け巡った話。地政学の面もあり、太平洋戦争の日本の敗北の構造もうっすら見えてくる。日本の右寄り評論家や企業内ビジネスマンが一同に絶賛している点が問題提起の本質を見失っているかもと思う。ある種の司馬遼太郎の小説に思いを寄せすぎる政治家たちも、この手の小説が大好きなはず。
でも中東と日本の石油をめぐる関係や、戦前のアメリカとの技術競争を垣間見れる点は面白い。地政学に興味のある人にお勧め。
- 作者: 百田尚樹
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2012/07/12
- メディア: 単行本
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- 作者: 百田尚樹
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2012/07/12
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