SEIJI FUJIWARAのブログ

30代、貿易課で働く双子の父です。

航空会社用語のボランティア

航空会社でもボランティア。

実際に、チャリティー活動をするとかでなく、航空会社がお客さんにしてもらうことです。

具体的にいうと、航空会社は航空券を販売する時に、座席数以上にチケットを販売するそうです。まあ、実際は予約をしてもぎりぎりで取りやめる人もいるから、正直に座席数だけでカウントしていると実際の乗客は7割だった・・ということも当たり前のようです。

そこで、航空会社は乗客数を超えて航空券を販売・予約します。そうすることで、座席数の満席を目指し、収益アップにつなげるのです。しかし、時には座席数を超えて実際のお客さんを確保してしまうこともあります。さあ、どうする。立ったままお客さんを飛行機に乗せれないし・・・。

こんなときに、航空会社は乗客にメールや電話で「ボランティア」を求めるのです。「今、オーバーブッキングなんですけど、ボランティアしてくれませんか」と。普通はそんなボランティアは誰も受け入れないだろう。そこで呼び水として「いまなら、マイレージのポイントを○○上げますよ。貴方が次に乗る航空券をアップグレードしてビジネスにしちゃいますよ」というのである。


航空会社にとっては、マイレージをあげることはなんの損益にもならない。現金でなく、マイレージは自社のポイントカードみたいなもんなのだから。お客さんは、マイレージでビジネスクラスに乗れたり、航空券をタダで買えたり(たくさんのマイレージを一度にはもらえないだろうが)するので喜んで「ボランティア」をするそうだ。


このことを航空業界では「ボランティア」というらしい。おもしろい。これはきっと、欧米の航空会社が安易にオーバーブッキングをたくさんしてしまうからできた用語。日本の航空会社ではオーバーブッキングは極めて少ない。つまり、欧米の人、ボランティアという言葉の語源を作った人びとによる言葉。

無償のサービスでなく、一部の利益を得る代わりに、自主的に行動すること。

なんとも日本人の型物ボランティア感からはずれている。だからおもしろい。もちろん大きな利益をお客さんが享受しているわけでなく、航空会社への善意の意味もあるけど、リアルなお金の流れには現実味がある。

ところかわってボランティアの大本命国際協力の世界では

青年海外協力隊では2年間で200万円以上のお金が隊員に支給されるし、国連ボランティアは月収20万円以上は確保されている。NGO職員だって最低限の生活ができる収入はある。協力隊を主導するJICAは公務員とさほど変わらない。手弁当で井戸を掘りに行く、日本人のボランティア館とは違う。

ボランティアとはなんだろう。
この言葉への問いかけは今後も続けていきたいな。
僕自身、嫌いな言葉。でも付きまとう言葉。

引用文献
http://www.mile-tokutoku.com/technique/volunteer.htm