SEIJI FUJIWARAのブログ

30代、貿易課で働く双子の父です。

笑えない教育格差。

昨日、NHK大阪放送局の「かんさい熱視線」というドキュメンタリーを観た。
大阪府門間市の教員有志で運営されている私塾が取り上あげられていた。
大阪の学力低下と経済格差がかなりつながっていることを改めて痛感。


3人の子どもをシングルマザーで育てるお母さん。
同時に3つの仕事を掛け持ち、必死で働くが、精神的に追い詰められ精神科に通うお母さん。
そんなお母さんが心配で、学校も休みがちだった女の子。
人前で教科書を音読するのが苦手。
人前で声がでない。
でも、本を読むことは大好き。
もっと知りたいという思いからどんどん読み進める集中力がその子にはあった。
人前で本が読めない=読書力がない、ではない。

女の子は最近、お母さんに手紙を書き出した。
お母さんに元気になってほしい、家族みんなで旅行に行きたい、ということを。


もう一人は、算数が苦手な男の子。
2桁以上の足し算がどうしても苦手。
8+5を指を使わないと計算できない。
何度も投げ出したくなる。
「かどまっこ」でつきっきりで教える先生。
8+5は、8に2をたして後で3をたす、繰り上げ算の仕組みをおはじきで教える。
何回も何回も繰り返す。
たった5問の計算プリント。
5問とも正解すると先生は、大きな花丸を書いてくれる。
その花丸が、生徒をちょっとやる気にさせる。

「かどまっこ」では少人数の生徒に対して、年配でキャリアのある人や退職した先生が少人数の子どもにきめ細やかない指導を行っていた。こういう取り組みが増えてほしい。


30分番組のこのドキュメンタリーで、日本の学力がどんどん低下している一場面に遭遇した衝撃は大きい。経済格差。両親共働き、シングルマザー、ファザーの増加。日本の経済は、なんとか現状維持を続けているかのように見える。でも実は、大きな切れ目がぱっくり開き始めている。日本の根幹にかかわる子どもたちの教育。雇用の変化によって教育の構造が崩壊しつつある。学力低下は、中期的な経済成長に深刻なダメージを与える。資源のない日本は、人を育てないと生き残れない。

男性の収入を今まで以上に意識する婚カツ女性が増えるのも、無理はない。
http://www.nhk.or.jp/osaka/program/nessisen/