SEIJI FUJIWARAのブログ

30代、貿易課で働く双子の父です。

トーホー

見えていないものが、一気に正体を現した時の感覚は小さい頃からある。

小学校4年生の時だった。
実家の近くの「トーホー」というスーパーの前を通る時だった。
トーホーは神戸市内で展開している生鮮食料品店だ。
やれ牛乳、卵と母親から頼まれると毎回トーホーに行っていた。
何百回も利用していた。

そんなあるときふと、トーホーの反対車線からトーホーを見上げた。
おばさんが、トーホーの建物上のベランダ越しに布団を叩いていた。


「ト、トーホーって1階建てじゃないんだ・・・」
トーホーは1階に店舗がある。
生まれて初めてトーホーの建物の2階以上があることに気づいた。
トーホーの1階の入り口を見てしか生きていなかった。
僕はトーホーのある建物の階以上のマンション部分を5分くらい見続けていた。

トーホーの建物は、7階建位のマンションだったのだ。
2階から上に広がるベランダの生活空間。

蒲団を干していたり、花を育てていたり、洗濯物を取り込んでいたり。
そこには明らかに、人間の集まる空間があった。
僕は、何もしらなかったことに愕然とした。

そして次の瞬間、あることに驚愕する。
「ここの4階って、通っている塾があるところやん」

なんと当時通っていた、小さな個人塾がトーホーの上のテナント部分だったのだ。
汗をだらだら流しながら、おしっこがちびりそうになった。
確かにその時に見上げた正面部分といつも入る入口は違っていた。
勝手にトーホーの隣に隣接する細長いマンションと思いこんでいた。

でも普通の人間なら気づくはずだ。
小学校4年生なら気づいてほいい。。

小学校のころから僕は、何かに集中すると完全に他を見失う性格だった。
中学の頃からだろうか、自分に「バランス力」が足りないのだと考えるようになる。
高校、大学とバランス力が自分のテーマだった。
自分の意見が客観的に通用できるか、などと本気でそのための方法を考えたりしていた。
そういう部分が、「ジャーナリズム」とつながっていたんだろう。


話をこれ以上広げてもしかたがない。
トーホーを知らない人。
神戸市の人じゃない人。
垂水区星陵台サンライズ通りを知らない人。
戯言です。