SEIJI FUJIWARAのブログ

30代、貿易課で働く双子の父です。

スリランカの現状報告

一昨日JICA関係者とスリランカに訪問していた中村尚司先生(龍谷大学研究フェロー)が帰国された。日本として今後のスリランカの支援事業全体についてのやり取りがあったという。


以下は現在のスリランカの現状(中村先生からの話)

・反政府軍(LTTE)の首都であったキリノッチには1人の民間人もいない。政府軍によるLTTE残党の魔女狩りが行なわれているため、民間人を1人残らず退去させた。

・キリノッチ、ムラティブ周辺の民間人30万人が北中部バウニヤ県で強制的に国内避難民となっている。バウニヤ県(district)の人口は本来は11万人前後だが30万人の避難民によって食料が圧倒的に不足している。

・支援にはUNHCRWFPUNICEF等や現地NGOが担っている。

戦災孤児が新たに発生しているため、保護が求められている。


こちらは余談
過去に3度訪問している、カリヤーナ・ティッサさん(シンハラ仏教僧)孤児院が無事であると確認された。カリヤーナさんは、スリランカ最大のNGO「SEWA LANKA FOUNDNATION」のバウニヤ事務所では顧問として従事されており、難民救済の仕事に忙殺されているそうだ。ご本人はシンハラ仏教僧であるが、タミル人ヒンドウー教僧が難民キャンプに確認すると、彼ら110人のために仮説のヒンドゥー寺院を建設したそうだ。

宗教対立が紛争原因といわれたスリランカで、シンハラ仏教僧がタミル・ヒンドゥー教徒の救済にあたるのは聞いたことがない。



日本の宗教者はどこへ
「宗教者としての平和構築の役割」などは日本での講演は聞き飽きた感があるが、現地での宗教者としての実践を知ると頭が下がる。日本人の僧侶がいくら日本で能書きを並べてもそこには本当の現実に向き合う人がきわめて少ない。

日本人の宗教者なら他国の戦争問題などより、子どもの貧困、ワーキングプア、在住外国人、ひきこもり、緩和ケアなどの課題に向き合う場がある。日本の僧侶のうち、このような活動をしている人はきわめて少ない。お寺NGOで働いている実感である。今、自分が抱える問題に向き合い、行動する。宗教者っていうのは、どんな他者であっても人間らしい誠実でまっすぐ向き合い方ができる人だと思う。日本にもこういう方がいらっしゃることも知っているし、だからこそさらに盛り上がってほしい。
まあ、多分な期待はするべきでないのかもしれない。。。