最終章の「平和を獲得する新しいメソッド」という章だけ読んでください。
- 作者: 伊勢崎賢治
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2009/04/18
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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シエラレオネ、東ティモールなどでのPKOに携わった紛争解決人、伊勢崎賢治さん(東京外国語大学大学院 教授 平和構築学)。
中学生向けに紛争をかなり噛み砕いて書かれたものだ。
最終章のメソッドは、もっと詳しく知りたい。
「戦争が儲かる社会から、平和が儲かる仕組みを作れないか?」と著者は問う。
平和を打ち出し、広告にする。
「ピース・アド」というそうだ。
そして日本が最も最重要にすべきピース・アドは憲法9条だと訴える。
憲法9条は保守陣営からすると、1秒でも早く変えたい、宣伝なんかしたくもないもの。
リベラルの人も、宣伝するもにでなく「9条は守るもの」という意識が強い。
いままで宣伝したことはほとんどなかっただろう。
伊勢崎さんは、日本国憲法を政府として中国、ハングル、ロシア、アラビアなどの言語に「公式翻訳」すべきだという。
とっくの昔に、世界中の言葉に翻訳されていると思っていたが実は日本語と英語だけだそうだ。
他の左派系の学者がこんなことをいうと、「はいはい」という話になる。
しかし、アフガニスタンやアフリカ諸国の血みどろの戦いに向き合い続けた人間が言う言葉だけに、納得してしまう。
現場で感じた、日本人とは何か?という問い。
スリランカ人も日本人がダントツに高感度がある。
おごりではない。これは事実。
でも彼らは「日本が平和憲法を持っているから」とは知らない。
曲がりなりにも長年のODAと第二次世界大戦から武力行使で他国を侵略したことがないという事実の積み重ねがあるからだ。
そんな日本が少しづつ変わりつつある。
現場で体感する著者のあせりが伝わってくる。
守る憲法も大事。
崇高な理念を持っているのなら、世界の人に伝えても遜色が無いはず。
いっちょピース・アドとして本気で使っていきた。
それでだめなら、その時考えよう。。